2017-08-17 21:12 | カテゴリ:ブログ
皆さん、こんばんは。管理者Oです。

ここ最近は季節外れの雨模様が続き、ドクターヘリの出動ができない日が多く関係各所には大変ご迷惑をおかけしております。

さて、本日は大好評連載シリーズ『ドクターヘリのお仕事』の第4弾をお届けしたいと思います。
テーマは【ドクターヘリの要請】についてです。残念ながら、現在の日本においては市民の方からのドクターヘリ出動要請はできない仕組みとなっております。それでは一体どのようにドクターヘリは要請され、出動することに至るのか。是非ご覧下さい↓

どうも!広報班のK城です。
今回は「ドクターヘリの要請」についてです。
「ドクターヘリはどんな時に出動するのか」という疑問にお答えします。
大きく分けると、①覚知要請 ②救急隊現着後要請の2つのパターンがあります。

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①覚知要請
119番通報をすると、消防指令室に電話が繋がります。
その際に重症を想定する「キーワード」が入っていた場合、消防指令室から北総にドクターヘリ要請が入ります。指令室が「キーワード」を接触的に聞きに行くときもあります。
覚知要請では、救急車の出動と同時にドクターヘリも出動するため、早い段階で患者さんに接触することができますが、現場の状況、患者さんの容態等、情報が少ないまま現場に向かうことになります。
②現着後要請
119番通報の内容に「キーワード」が入っていなかった場合は、まず救急車が現場に出動します。患者さんを評価して、早く医師の診療が必要と判断された場合にドクターヘリ要請が入ります。

コード・ブルーでもドクターヘリの要請シーンがたくさん出てきますが、ホットラインの要請内容で、どちらの要請か想像しながら見て頂くのも面白いと思います。
覚知要請で曖昧な情報しかないまま現場に向かったり、現着後要請の重症患者に作戦を立てながら向かったりと、難しいミッションに対してどのように対応しているか、という目線で見てみるのもよいでしょう。

いかがでしたでしょうか?
ドクターヘリはどの地域でも限りのある非常に貴重な医療資源であるため、要請する消防本部や現場救急隊は常に頭を悩ませながらドクターヘリを要請を行っているのです。適切な事案に、適切なタイミングでドクターヘリが要請されるよう関係各所が定期的に集い、検討会が開かれ、未だ見ぬ事案に備えています。

全ては救命のために…
2017-08-15 13:26 | カテゴリ:ブログ
皆さんこんにちは、管理者Oです。

昨日は『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』の第5話、ならびに医療シーン解説をご覧頂きまして誠に有難うございます。ドラマも折り返しを迎え、ますます盛り上がってくると思いますので、まだドラマ及び当ブログをご覧になっていない方がおられましたら是非とも周知して頂けますと幸いです。

さて、本日は大好評?連載シリーズ「ドクターヘリのお仕事」の第3弾をお届け致します。
テーマはずばり、【出動準備】です。それではご覧下さい↓

どうも広報班のK城です。
前回はブリーフィングについて説明致しました。
ブリーフィングを終えたら、ドクターヘリの資器材準備、確認作業を行います。
今回は「ドクターヘリの出動準備」についてです。
①
まず、ドクターヘリへ資器材を持っていきます。
(ドクターヘリバック、外傷バック、小児バック、エコー等)
現場へ持っていけるものは限られていますので、必要最低限、現場で必要なものを厳選し、現在の形となっています。
コード・ブルーでも出演者の方々がバックを持って走っていく姿がみられますね。

ヘリへ資器材を搬入し、物品の確認、機材の作動確認を行います。
②
現場で直ぐに資器材を使用できるように、確認作業を行うこと、収納場所を覚えておくことは非常に重要です。

資器材の確認を終えたら、最後にベルト、ヘルメットの確認、無線の確認を行います。
③
これらの準備を終え、8時半には出動準備完了となります。

現在夏真っ盛りで非常に暑いですが、準備を終え、青空の中ヘリポートに立つと、やる気が溢れてきます。
④

今回は以上です。
前回のブリーフィング同様、きちんとした準備を前提にドクターヘリ運航の安全は担保されるものなので、出動準備も毎朝欠かさず行っております。やはり備えあれば患いなし!

では、次回もお楽しみに☆

2017-08-14 23:15 | カテゴリ:ブログ
皆さんこんばんは。管理者Oです。今回は過去最速でのブログアップを目指しました。い、いや、決して、は、早く寝たいとかではないですよ(汗)一刻も早く医療シーン解説をお届けしたかったということです!

さて『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』第5話はお楽しみ頂けましたでしょうか?
お楽しみという言葉が全く似合わないくらい、非常にシリアスな内容でしたね。
落ち込む冴島Nsに掛けてやれる言葉がないと悩む藤川Drへ藍沢Drが語った「お前は毎日悲しみの溢れるこの救命で、みんなに明るさをもたらしてる」「どんなときでもお前の家庭はきっと明るい」「辛い毎日を二人で乗り越えていくために結婚するんだ」と励ますシーンは、藍沢Drの藤川Drへの信頼、そしてそんな藤川Drを藍沢Drなりに励まそうとする思いやり溢れる名シーンだったと思います。

そんな今回のテーマは『寄り添う人』でした。
救急医を含め、医療従事者が患者さんに提供できることはあくまでも「治療」や「看護」などであり「治癒」ではありません。「治癒」するためには患者さん自身の病と闘う気持ちやそれを支える家族のサポートが必須なのです。実際の現場でも献身的なご家族のサポートにより医療者側がビックリするほどの回復を見せてくれる患者さんがおられます。私生活においても、医療現場においても『寄り添う人』の存在というのは偉大で、かけがえのないものなんだということを改めて気付かせてくれました。

おっと、かなり出だしは早く取り掛かったのに、時間をかけ過ぎました。。それでは第5話の医療シーン解説をどうぞ↓

ストーリーも少しずつ前に進みます。第5話は医療シーンが少なかったのですが、藍沢らしい結婚観を語りながら藤川とトマトを食べるシーン、白石と緋山がフェロー達をダシに冴島を励ますシーンなど、泣き所が多くって目が腫れてしまいました…。

今回の医療シーンのポイントは名取のアンダートリアージ(過小評価)でした。出動中に別の救急現場からドクターヘリ要請がかかるのは、実際にもよくあることです。患者がどんな状態なのかは消防からの情報で判断するしかありません。この場合、上級医はより重症だと思われる方に向かいます。ここで重症者の方に向かえるようになれば「一人前」ということです。名取はレスキュー隊員の倉田を近隣の二次病院に搬送をしました。私たちはこれを「Jターン」と呼んでいます(翔北に搬送すれば「Uターン」ですね)。このJターンで一番イヤなのが搬送先の病院から「実は重症でした」と連絡が入ることです。チラッと映った骨盤のX線写真はopen book typeの骨盤骨折でしたが、藤川が「これなら気づかないこともあるかな…」とチョット皮肉っぽく?言っていましたが、現場での骨盤骨折の診断は簡単ではありません。写真上のような診察をすれば分からないことはなかったでしょうけれど、おそらく名取は、倉田の上腕骨骨折による痛みにダマされて骨盤の痛みを軽くみてしまったのかも知れません。名取は倉田に「レスキューの現場に条件のいい時なんて無い。ドクターヘリの現場だって一緒だろ」と言われましたが、まったくその通りで、時間も検査機器も限られる現場では診療の精度にも限界があります。その精度を如何に高くするかがフライトドクターの勝負どころなのです。

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重症の骨盤骨折はなかなか手強い損傷です。治療法にはバラエティーがあって、その一つに「創外固定」があります。これは骨に複数のピンを差し込んでそのピン同士を繋げて骨折部位を固定する方法です(写真下)。エンディングのタイトルバックでも藤川がそのピンを刺入しようとドリルを持っているカッコいいカットがありますね。倉田にもまずこの創外固定が行われていました。この他にも、シーツラッピングと言ってシーツを巻いて簡易的に骨盤を固定する方法もあります。出血に対しては、血管造影をしながら損傷した動脈にコイルやゼラチンでできたスポンジを詰めて止血する「動脈塞栓術」や、骨盤の骨折部の周囲にガーゼを詰め込んで止血する「後腹膜パッキング」があります。このあたりについては2nd seasonの第1話でも白石が喋ってますね。橘は「その順番が問題だ」と当時のフェロー達に指導をするのですが、みなさん覚えてますか?順番には定まったルールはあるわけではなく、患者さんの状態と治療する側の経験から決められることになります。

今日は最後にスタッフさんの「医療シーンのこだわり」について書いておきます。第2話の最後で横峯が胸腔ドレーンのチェックをする場面、チェストドレーンバッグの水封部分から「ポコッ」っと一回だけ空気が出ます。第3話のダメージコントロール手術では腹腔内から大きな血腫が出てきます。どちらも見る人が見れば現実世界でも目にする事象ですが、こんな細かいディテールに力を注ぐ撮影現場の助監督、美術スタッフのプロフェッショナリズムに敬意を表したいと思います。

いかがでしたでしょうか?骨盤骨折の難しさや奥深さを知っていただけたのではないでしょうか。
そしてそんな骨盤骨折で歯がゆい思いをした名取Drが「患者さんに次はないの」と少し不器用な白石Drからの注意を受け、どのように救急医として成長していくのか、今後に注目したいですね。

そして次回はいよいよフェロー達が現場で………
来週も期待していて下さいね☆
2017-08-14 12:05 | カテゴリ:ブログ
皆さんこんにちは。管理者Oです。

『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』の医療監修を当科全面バックアップで行っておりますのは以前のブログでもお伝えした通りですが、今回当科松本教授が医療監修についてのインタビューを受けております。実際の医療監修がどのように行われているのか、どういった部分にこだわりが見られるのか、かなり詳細な内容が語られておりますので、是非ご覧下さい。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170809-00000342-oric-ent

宜しければ動画バージョンもどうぞ!
https://www.youtube.com/watch?v=wUkUF24HSLQ

さて、いよいよ本日21時より『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』第5話が15分拡大版で放送されます☆予告編で白石先生が名取先生に言っていた「患者さんに次はないの」というセリフ、非常に印象的でした。
失敗しない人間はいないように、失敗しない医師も残念ながらいません。医師は生涯で何千という数の患者さんを診療しますし、何事にも最初はありますので、もちろん失敗から学ぶという事も大切ではありますが、当の患者さんにとっては1/1なのです。
その事を指導医はどのように後輩へ指導し、若手医師がどのようにその問題を克服していくのか、実際の現場でも非常に難しい問題なのです。

そのような難しいテーマがどのようにドラマの中で描かれるのか、個人的に楽しみにしています。
お盆の真っ只中で皆さんご多忙とは思いますが、是非21時にはテレビの前でご家族お揃いでご覧いただけますと幸いです。
そして第5話の医療シーン解説も楽しみにしていてくださいね☆
2017-08-10 21:06 | カテゴリ:ブログ
皆さん、こんばんは。管理者Oです。

本日はもう一つの連載シリーズ、『ドクターヘリのお仕事』の第2弾をお届け致します。
第2弾は毎日朝に行われるドクターヘリのクルー達による【ブリーフィング】についてです。それではご覧下さい。

どうも広報班のK城です。
前回はフライトスーツについて説明致しました。
フライトスーツに着替え終えたら、ヘリスタッフは集合し、「ブリーフィング」を行います。
今回は「ブリーフィング」についてです。

ヘリスタッフは全員で6名です。
(北総救命では医師2名、看護師2名、ヘリ操縦士1名、整備士1名、CS1名)6名が集合し、ブリーフィングが始まります。
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ブリーフィングでは、挨拶、スタッフの確認、天候の確認及び飛行可能域の確認を行います。
雲の流れを確認し、ドクターヘリが飛行可能な場所を確認すること、搬送可能な病院を確認しておくことは非常に重要です。

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そして、ドクターヘリに安全に乗るための注意点について、毎日全員で確認を行います。
ドクターヘリの乗り方、有事の際の対処方法等、毎日全員で確認し、安全な運航を前提として活動しています。

コード・ブルーでも、重複ミッション、多数傷病者事案等のヘリミッションとして対応が難しいケースがたくさん見られます。スムーズなヘリの運航には、医療スタッフとヘリ運航スタッフの連携が重要です。
ドラマではでてきませんが、きっと素晴らしいブリーフィング、デブリーフィングをしているんでしょうね。

以上、『ブリーフィング』についてお届け致しました。いかがでしたでしょうか?
ドラマやドキュメンタリー番組でもあまり知らされることのない「ブリーフィング」ですが、こういった事前準備を毎日怠らずに行うことでドクターヘリ運航の安全は担保されているのです。

それでは次回に続きます☆