2015-10-28 14:07 | カテゴリ:ブログ
先日、このような質問をいただきました。

「ドクターヘリに乗るとき、怖くはありませんか。
アメリカのメディカルヘリコプターは、墜落などによって、今までに100人以上の死者を出しています。
日本でも、ヘリコプターの墜落は珍しくありません。
ましてや、ドクターヘリのパイロットは1人です。
副操縦士はいません。
つまり、1人のパイロットが飛行中に意識を失ったら、墜落を待つだけです。

僕は、救急医になりたくて、医学部に入りました。
フライトドクターにももちろん興味があります。
でも、自分の命が一番大切です。
自分の命を犠牲にしてでも、患者の命を救うのが名医ならば、僕は名医にはなれません。

フライトドクターの方は、ドクターヘリの危険性については、どのように考えているのでしょうか。怖くはないのでしょうか。」


すごいですね。
こんなにも真剣に将来像を考えている学生さんがいるというのは、頼もしい限りです。

ここからは、あくまで管理人の個人的な考えと捉えて下さい。もちろん違う考えも多数あるであろうとは思いますが、それを計り知ることはできないので、個人的な意見で返答させて頂きます。

自分がドクターヘリに乗る時、怖さはもちろんあります。でもそれは”墜落するかもしれない”という怖さではなく、”現場で患者を救命しなければならない”という命の責任への畏れだと思います。
ドクターヘリは操縦士・整備士・CS(communication specialist)を始めとした運航会社と救助・救急隊員・司令などの消防職員、そして我々医療スタッフが多職種連携で運行しており、安全で効果的な活動のためには”信頼”が必要です。
医療に絶対が無いように、ドクターヘリの運行に関しても100%の安全はありません。でもそれに近づくために活動に関わるすべての人が必要なことをしています。そこを信頼すれば、怖さも薄らいできませんか?

もうひとつ、今度は事実を。
たしかに海外で医療活動中のヘリが墜落する事例は多くあります。しかし、これらの多くは夜間に発生しています。
ドクターヘリは夜間の飛行は認められておらず、活動は日中に限られます。(それを補完するのがラピッドカーです)
また、日本でもヘリの墜落は確かに報告されていますが、耳にするものは単発機といってエンジンを1基しか積んでいない機体です。ドクターヘリで使用している機体は北総で使用しているMDをはじめ、双発機といってエンジン2基を搭載している機体であり、極めて安全性は高いと考えられています。
操縦士に関しても、ドクターヘリの操縦士には誰もがなれるわけではありません。生涯において一定以上の飛行時間をクリアしていないとドクターヘリの操縦は認められず、こちらも非常に高い水準が設定されているのです。

事実、ドクターヘリ事業開始以来延べ7万件近い出動がありましたが、1件も事故はありません。
十分信頼に値する数値だと思いますよ^^。

いかがでしたでしょうか?少しでも将来設計の糧となれば幸いです^^。

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