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2017-08-14 23:15 | カテゴリ:ブログ
皆さんこんばんは。管理者Oです。今回は過去最速でのブログアップを目指しました。い、いや、決して、は、早く寝たいとかではないですよ(汗)一刻も早く医療シーン解説をお届けしたかったということです!

さて『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』第5話はお楽しみ頂けましたでしょうか?
お楽しみという言葉が全く似合わないくらい、非常にシリアスな内容でしたね。
落ち込む冴島Nsに掛けてやれる言葉がないと悩む藤川Drへ藍沢Drが語った「お前は毎日悲しみの溢れるこの救命で、みんなに明るさをもたらしてる」「どんなときでもお前の家庭はきっと明るい」「辛い毎日を二人で乗り越えていくために結婚するんだ」と励ますシーンは、藍沢Drの藤川Drへの信頼、そしてそんな藤川Drを藍沢Drなりに励まそうとする思いやり溢れる名シーンだったと思います。

そんな今回のテーマは『寄り添う人』でした。
救急医を含め、医療従事者が患者さんに提供できることはあくまでも「治療」や「看護」などであり「治癒」ではありません。「治癒」するためには患者さん自身の病と闘う気持ちやそれを支える家族のサポートが必須なのです。実際の現場でも献身的なご家族のサポートにより医療者側がビックリするほどの回復を見せてくれる患者さんがおられます。私生活においても、医療現場においても『寄り添う人』の存在というのは偉大で、かけがえのないものなんだということを改めて気付かせてくれました。

おっと、かなり出だしは早く取り掛かったのに、時間をかけ過ぎました。。それでは第5話の医療シーン解説をどうぞ↓

ストーリーも少しずつ前に進みます。第5話は医療シーンが少なかったのですが、藍沢らしい結婚観を語りながら藤川とトマトを食べるシーン、白石と緋山がフェロー達をダシに冴島を励ますシーンなど、泣き所が多くって目が腫れてしまいました…。

今回の医療シーンのポイントは名取のアンダートリアージ(過小評価)でした。出動中に別の救急現場からドクターヘリ要請がかかるのは、実際にもよくあることです。患者がどんな状態なのかは消防からの情報で判断するしかありません。この場合、上級医はより重症だと思われる方に向かいます。ここで重症者の方に向かえるようになれば「一人前」ということです。名取はレスキュー隊員の倉田を近隣の二次病院に搬送をしました。私たちはこれを「Jターン」と呼んでいます(翔北に搬送すれば「Uターン」ですね)。このJターンで一番イヤなのが搬送先の病院から「実は重症でした」と連絡が入ることです。チラッと映った骨盤のX線写真はopen book typeの骨盤骨折でしたが、藤川が「これなら気づかないこともあるかな…」とチョット皮肉っぽく?言っていましたが、現場での骨盤骨折の診断は簡単ではありません。写真上のような診察をすれば分からないことはなかったでしょうけれど、おそらく名取は、倉田の上腕骨骨折による痛みにダマされて骨盤の痛みを軽くみてしまったのかも知れません。名取は倉田に「レスキューの現場に条件のいい時なんて無い。ドクターヘリの現場だって一緒だろ」と言われましたが、まったくその通りで、時間も検査機器も限られる現場では診療の精度にも限界があります。その精度を如何に高くするかがフライトドクターの勝負どころなのです。

無題


重症の骨盤骨折はなかなか手強い損傷です。治療法にはバラエティーがあって、その一つに「創外固定」があります。これは骨に複数のピンを差し込んでそのピン同士を繋げて骨折部位を固定する方法です(写真下)。エンディングのタイトルバックでも藤川がそのピンを刺入しようとドリルを持っているカッコいいカットがありますね。倉田にもまずこの創外固定が行われていました。この他にも、シーツラッピングと言ってシーツを巻いて簡易的に骨盤を固定する方法もあります。出血に対しては、血管造影をしながら損傷した動脈にコイルやゼラチンでできたスポンジを詰めて止血する「動脈塞栓術」や、骨盤の骨折部の周囲にガーゼを詰め込んで止血する「後腹膜パッキング」があります。このあたりについては2nd seasonの第1話でも白石が喋ってますね。橘は「その順番が問題だ」と当時のフェロー達に指導をするのですが、みなさん覚えてますか?順番には定まったルールはあるわけではなく、患者さんの状態と治療する側の経験から決められることになります。

今日は最後にスタッフさんの「医療シーンのこだわり」について書いておきます。第2話の最後で横峯が胸腔ドレーンのチェックをする場面、チェストドレーンバッグの水封部分から「ポコッ」っと一回だけ空気が出ます。第3話のダメージコントロール手術では腹腔内から大きな血腫が出てきます。どちらも見る人が見れば現実世界でも目にする事象ですが、こんな細かいディテールに力を注ぐ撮影現場の助監督、美術スタッフのプロフェッショナリズムに敬意を表したいと思います。

いかがでしたでしょうか?骨盤骨折の難しさや奥深さを知っていただけたのではないでしょうか。
そしてそんな骨盤骨折で歯がゆい思いをした名取Drが「患者さんに次はないの」と少し不器用な白石Drからの注意を受け、どのように救急医として成長していくのか、今後に注目したいですね。

そして次回はいよいよフェロー達が現場で………
来週も期待していて下さいね☆

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