2018-04-24 11:43 | カテゴリ:ブログ
こんにちは。管理者Oです。

季節外れの夏日が全国各地で観測され、4月にもかかわらず熱中症患者が多く発生するなど不思議な天候が続いている時分ですが皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
北総救命にも相変わらず多くの重症患者が搬送されてきており、新年度を落ち着いて迎える余裕など全くない状況が続いております。

さて、本日はそんな外の気候に負けないくらい『熱い』話題をお届け致します。
先に宣言しておきます!今回はものすごく重要かつ素晴らしい内容です。決して今までの内容が素晴らしくないわけではありません(笑)
これまでも日本のみならず、世界でも注目を集めてきたD-Call Net
本格運用について北総救命が誇る熱男、M村医師からの報告です。

D-Call Net本格運用開始

北総救命が救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)D-Call Net研究会、日本大学工学部などと共に開発、普及を手掛けてきた「救急自動通報システム(D-Call Net)」の全国本格運用が、今月(2018年4月)より開始されました。北総救命では2015年11月から同システムの試験運用を行ってきました。
D-Call Netとは、交通事故により重症のケガを受傷した患者のもとに少しでも早くドクターヘリで医師を派遣し治療を開始することを目的に開発されたシステムで、事故車両から自動的に発信された情報を基にドクターヘリが出動します。

*D-Call Net
https://www.youtube.com/watch?v=i4p6dV27i1c

図1

 2018年1月某日に発生した交通事故では、本システムを通じて病院は発生からわずか1分後に事故を覚知し(通常の事故では発生から119番までに平均5分、さらにドクターヘリ要請までに平均15分、つまり事故から約20分後に基地病院に情報が入ります)、ドクターヘリは(他事案対応のため即時対応が制限されたにも関わらず)事故から19分後には現場上空に到達することができました。もしD-Call Netとドクターヘリが起動しなかったとすれば、患者が病院に到着し診療が開始されるまでには70分以上を要していたと考えられました。
交通事故の患者2人のうち1人は、頭部・胸部・下肢のケガで重症。本システムによる迅速な対応が奏功しました。これは、「(交通事故の)工学的情報により(ドクターヘリによる)医師派遣システムが起動された“世界初”の事例」でした。これらの内容は2018年4月20日(金)の読売新聞でも報道されました。

図2

D-Call Net新通報システム

 交通事故が発生した際に、確実に病院と消防へ情報を通知できてこそ、D-Call Netは効果を発揮します。これまでは病院内に設置された端末が情報を受信しても、そこから医師などのスタッフに迅速かつ確実に通知されない可能性がありました。そのため、通報システムを改良し、事故情報を医師へ直接送信できる新しいシステムに改良を行いました。新システムの通報訓練を行いました。

図3

図4

図5

図6

日本大学・交通事故総合分析センター(ITARDA)との交通事故実態調査、自動車会社との研究で「世界一安全な道路交通社会」の実現を目指す

 D-Call Netでとても重要なことは、「交通事故に関する情報」から「クルマの乗員(クルマが衝突した相手)が重症である確率」を正確予測することが極めて重要です。このために北総救命は、日本大学工学部・理工学部、交通事故総合分析センター(ITARDA)や各自動車メーカーとともに実際の交通事故のデータを分析し、さらに事故現場・事故車両・患者を詳しく調査して計算式(アルゴリズム)の作成と精度評価を行っています。アルゴリズムは過去280万件の交通事故データを基に作成され、交通事故に関わる工学的な情報(短時間当たりの車両の速度変化、衝突方向、複数衝突か否か、シートベルト着用の有無)が、乗員の死亡・重症確率を算出する際の要素になっています。
加えて、これらの研究の成果は自動車づくりにも活用され、乗員に加えて交通弱者(歩行者、自転車乗員、自動二輪乗員)にとっても、より安全性の高いクルマが作られるようになってきています。
 北総救命は、交通事故で受傷した患者の元にドクターヘリなどで一刻も早く医師を派遣し、効果的な治療を行うことで救命率の向上や後遺症の軽減を目指すとともに、交通事故外傷予防にも深く関与しています。このような活動を通し、北総救命は「世界で最も安全な道路交通社会」の実現を目指しています。

図7

図8

いかがでしたでしょうか?
これからの救急医療の常識を大きく変えてしまうであろう、このD-Call Net。
10年後に『こんな当たり前のものについて、仰々しく騒いでいたね』と言われるような世の中になっていてくれていることを願っております。
それではまた☆

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