2018-07-11 16:44 | カテゴリ:ブログ
皆様、こんにちは。管理者Oです。

まずは先日の『平成30年7月豪雨』で被災されました方々へ、心よりお悔やみ申し上げます。
被災地の一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、気を取り直して。本日は特別編として『ドクターヘリパイロット』の仕事内容やその魅力を現役のドクターヘリパイロットの方、2名に語って頂きましたので、どちらも原文のままで転載致します。
我々フライトドクターを含めた医療クルーの安全運航には欠かすことのできないドクターヘリの操縦士の方達の実際の業務内容やその魅力についてこれまで明かされることのなかった内容となっております。それではどうぞ!!

〇まずはお1人目
【前提】
ヘリコプターの免許は飛行機の免許と異なります
【資格の種類】
事業用操縦士(回)・自家用操縦士(回)になります
【ヘリコプターの等級】
陸上(水上)単発ピストン機・陸上(水上)単発タービン機・陸上(水上)多発ピストン機・陸上(水上)多発タービン機
【ヘリコプターの型式】
説明が多すぎますので、割愛します

18歳以上から取得できる、事業用操縦士(回)の取得が必須になります。まずは、自家用操縦士(回)を取得した後になりますが(こちらは17歳以上から)
合わせて、ドクターヘリに使用している機体の種類によりますが、上記の陸上多発タービン機の試験に合格する必要があります(日本国内でドクターヘリは多発機である必要があるため)

事業用・自家用ともに試験内容は下記のとおりです
【学科試験】
航空航行学・航空気象・航空航法・航空通信・航空法規
【実技試験】
運航知識、飛行前作業、離着陸、異常時及び緊急時の操作、航空交通管制機関等との連絡、総合能力等
外部視認飛行・野外飛行

合わせて、管制機関との無線通信のため航空特殊無線技士もしくは航空無線通信士(こちらが上位の資格)の取得が必要になります
合わせて、1年に1回もしくは半年に1回の航空身体検査に合格していなければなりません
免許取得後、ドクターヘリを運航している会社へ入社(この際に会社の募集要件としておそらく、陸上単発ピストンもしくは陸上単発タービンの航空機等級が必要になります)

【免許の費用】
外国で自家用操縦士(回)→国内で事業用操縦士(回):陸上単発ピストン+陸上単発タービン取得で1300万程
国内で自家用操縦士(回)→国内で事業用操縦士(回):陸上単発ピストン+陸上単発タービン取得で1500万程
会社によっては、認定操縦士制度の運用を開始しており条件はありますが、上記の費用の補助(1000万)があります

社内訓練を経て、機長昇格試験を合格した後(おそらく単発タービン機のヘリコプターでの機長発令)ドクターヘリに乗務するのに必要な、飛行時間を増やしていきます
2018年4月から、国土交通省ではドクターヘリ操縦士の乗務要件を決めています
1000時間の機長時間(うち500時間はヘリコプター)、500時間のドクターヘリ運航と類似した運航環境における飛行時間、50時間の当該型式機飛行時間が必要になります
以前は2000時間の飛行時間が必要なだけでした
従事している仕事にもよりますが、年間の飛行時間は、平均200時間程度です

多発タービン機の国家試験を取得後、ドクターヘリで使用している機体ごとに社内試験にも合格し、ドクターヘリの機長昇格訓練に移行します

ドクターヘリの訓練は、OJTを実施した後、審査を受けます
合格後も、年に1回の機長審査とドクターヘリの業務確認審査を受け続けなければなりません

私の場合、21歳で事業用操縦士(回)を陸上単発ピストン+陸上単発タービン機の免許を取得し22歳で入社。23歳で機長発令、25歳で多発タービン機の試験合格、ドクターヘリに使用している機体の社内試験に合格+ドクターヘリの審査に合格し、34歳でドクターヘリ運航に従事しました。現在従事して2年目になります

・ドクターヘリパイロットの魅力とは
自分の資格を生かして、救急救命に携われることができる事にやりがいを感じます
互いに分野の異なる、医療スタッフ・消防スタッフ・社内スタッフとチームを組み、各々のプロフェッショナル(自分はまだまだだと考え恐縮ですが)が高い次元で会合する場所(現場)で、仕事ができる事がありがたいと感じます

〇続いてお2人目
入社後から
ヘリコプターのライセンス取得し、操縦士として航空会社に入社した後、笑顔の素敵なやさしい教官から厳しい基本訓練(座学と飛行)が行われます。
この基本訓練では、ヘリコプターの基本的な取り扱い、離発着の方法や緊急操作等を学びます。
この訓練が無事クリアー(自転車でいえば後ろの補助輪がなくなった位)する事ができれば、小型のヘリコプターの業務の訓練が行われます。
小型機ヘリコプターの業務は、水田や山での薬剤散布 電力会社の送電線パトロール 測量 CMやドラマの撮影 等があります。これらの業務訓練はまずお客様の同乗なしで行うoff-J-T(off-the-job training)訓練から開始されます。簡単に言えば実作業を行う前のシミュレーションです。off-J-Tでは、実際に作業する場所で教官が同乗し飛行要領を訓練します。この訓練では主に飛行作業に必要な基本的な飛行技術に関するものを習得します。(自転車でいえばいきなり一輪車での練習になった感じです)
その後、いよいよOJT(On The Job Training)が開始されます。OJTは実作業で行われます。(例えるなら一輪車に乗りながら右手に花束を持って左手で携帯電話をかけるくらい難しい)教官は手足の一部のように簡単にヘリコプターを扱い、涼しい顔つきで操縦していますが、訓練生は汗ダラダラ、飛行後には手足が筋肉痛になったりします。飛行終了ごとにデブリーフィング(反省会)を行って教官と明日に向けての目標設定を行います(暖かい目で見守っていただいた教官に感謝です)。この他に同乗されるお客様との打ち合わせ、天候状況の確認、意思決定の方法等を学びます。
教官から独り立ちが許されるといよいよ操縦士デビューです。この時点で入社からあっという間の約2年の歳月が経過しています。
この独り立ちの前には業務確認審査があります。超ベテランの操縦士による最終確認です。いきなり操縦士の神様みたいな人が隣に乗ります。それだけで緊張します。お客様もいます。整備士から励まされ、あなたなら大丈夫と背中を押されて審査をうけて何とか合格。やっと独り立ち。両親に感謝と喜びの電話と操縦士によっては彼女にプロポーズを行います??(給料も○○しますよ)
その後は小型機の色々な仕事を2年以上経験して次は中型機にチャレンジします。報道取材や旅客輸送を経験して飛行時間も2000時間以上となりこのEMS業務に配置されます。私は入社して10年してこのEMS業務に配置されました。

EMSの運航について
小型機の業務においては、操縦士の決定事項が指針となり飛行する事が多いのですが、(例えるなら2人乗りのボートの船長みたいな感じ)ドクターヘリの運航には多数の方々が携わります。
フライトドクターやフライトナースの他、整備士もドクターヘリ同乗し、地上の運航管理者(CS)と共に運航のサポートしてくれます。
そして、消防指令の方々や消防支援隊の協力により、着陸に必要な安全確保が行われます。
通常は定められたランデブーポイント(学校のグランド等あらかじめ確認された場所)に着陸しますが、場合によっては災害現場に着陸を行う場合もあります。

要請から着陸まで最短で10分位の時間の中で、関係者20名ほどの人数が医療クルーと患者様が接触できるようそれぞれの役割の中で活動します。
操縦士は、この流れも見守り、それぞれの関係者のリクエストに対してリスクを考慮し、最善の行動を選択します。
安全→確実→迅速の順番が逆となり迅速→確実→安全がチームの目的となった場合間違えなく事故が発生します。
患者様の情報等に左右されることなく、医療クルーからの運航に対するリクエストを的確に把握し、冷静沈着に選択肢の中から最善策を選び、医療クルーに状況説明を行い行動する事が必要となります。
飛行終了後には、デブリーフィング(反省会ではありません)を行います。この中で問題点、疑問点、懸案事項などの情報共有を行います。このデブリーフィングの目的は、次回のフライトに向けてクルーの不安要素を取り除き、各自が自信をもって活動できるために行います。
ドクターヘリ操縦士は、小型機で経験した2人乗りのボートの船長みたいな感じの仕事ではなく、チームの一員として互いに尊重し合える仲間と共に操縦士としての責任と役割を果たし、たまには飲み会にも参加して、信頼関係を築き上げる事が必要だと感じます。
関係者の皆様に支えられ安全運航が成り立っていることこの場を借りて感謝します。
今後もご協力よろしくお願い致します。

いかがでしたでしょうか。お二方とも非常にご多忙の中これまであまり知らされてなかった(実際に私も初めて知ることばかりでした)沢山の内容を語って下さいました。この場をお借りしまして感謝申し上げます。
我々の日々の安全なミッションには欠かすことのできないドクターヘリパイロットの方達。こちらこそ、今後とも何卒よろしくお願い致します。

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